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瑞希は大きく目を開いた。
動揺が浮かぶけれど、やっぱり反応はない。
伝わらないことがもどかしくて、もうだめかもしれないと、怖くて不安にもなる。
それでも引けない。諦められないのだから。
「瑞希さんが好きなんだ」
ひねりもなく同じことばかり言うなんて、彼女はあきれてるだろうし、から回ってるんだろう。
もっと気の利いた言葉を探して、もっと上手に届けたい思うのに、見つからない。
どうしようもなくせりあがってくる感情は、「好き」以外の言葉にはならないから。
やがて瑞希の唇がかすかに開いた。
浩二は涙が流れおちた後の、瑞希の目を見つめる。
「君が好きなんだ。
信じてくれるまで、許してくれるまで、何回でも何十回でも好きだって言うし、謝る。
それでもだめなら、何百回でもいうから。
だから俺を好きだっただなんて、過去にしないで。
どうしても君がいいんだ」
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