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「……言い忘れましたけど、女に見境なく優しくしないでくださいね。
自分が異性にどう思われやすいか、はやく自覚してください」
なんのことかと思った浩二は、一呼吸おいて笑ってしまった。
「しないよ。だいたい俺は優しくないし」
本当に、瑞希はこういうところがかわいい。
瑞希はすぐにうろんな目を向けた。まるでわかっていないと言いたげに。
それを待っていた浩二は、笑いながら瑞希を引き寄せた。
「大事にするよ。だれよりも」
瑞希が今どんな表情をしているのかわからない。
彼女が小さく身じろぎをした時、短い音と共にエレベーターが一階に到着した。
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