エピローグ

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*** その日はよく晴れた日だった。 うすいカーテンから透ける日差しが暑くて、瑞希はアラームが鳴る前に目が覚めた。 現在時刻は、午前10時。 顔を洗って、服を着替えて、丁寧にドリップしたコーヒーを飲んだあとは手持無沙汰で、なんとなくニュース番組を眺めていた。 彼女が今着ているのは、ベージュのシャツにパンツといった恰好で、夏のクリアランスで買ったものだ。 なにを着ればいいのか昨晩少し迷ったけど、行先は実家だしと、カジュアルじゃなければいいだろうとこれに落ち着いた。 瑞希はもう一度時計に目を向け、そろそろかと立ち上がる。 テレビを切り、コーヒーカップをステンレスの流しに入れて、ソファーにあった鞄をつかんだ。 ミヤサカとの待ち合わせは、ハチ公前にお昼12時。 「よし」 胸の奥から大きく息を吐き出すと、瑞希はアパートを後にした。
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