エピローグ

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中央線に乗ってしばらくしたところで、ミヤサカからLINEが届いた。 『ごめん、少し遅れる』 その文章を見た瞬間、瑞希は顔をしかめた。 今日は瑞希の両親に、ミヤサカを紹介する予定だった。 挨拶といっても、両親は堅苦しい人じゃないし、時間にだって十分間に合うけれど、こんな日に遅刻だなんていい度胸だ。 瑞希は憮然とした面持ちでスマホをしまった。 既読スルーは人にダメージを与える。これで怒っていることは伝わるだろう。 新宿で山手線に乗り換え、瑞希は渋谷の改札を出て連絡橋をわたった。 現在時刻は11時52分。 灼熱の炎天下だというのに、ハチ公広場は人でいっぱいだった。 どこで待っていようかと辺りを見渡すけど、どのベンチも座る場所はない。 仕方なく木陰に入り、取り囲まれて記念撮影され続けるハチ公を眺めた。
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