エピローグ

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9月に入ったばかりだと、残暑はまだまだ厳しい。というか、日中は真夏と変わらない。 それに人の多さが手伝って、体感気温はさらに高く感じた。 こんなことなら待ちあわせなどせずに、ミヤサカに迎えにきてもらえばよかった。 瑞希は息をひとつついて、スマホを取り出した。 どこかで昼を済ませてから実家に向かう予定だったし、こうなればうんといいものを食べさせてもらわないと割にあわない。 店を検索しかけて、ふと数日前のことを思い出した。 ミヤサカと会社帰りに飲んだんだ時、彼がくるまで読んでいた結婚情報誌を、帰りのタクシーの中に置き忘れてしまった。 (まだ半分ほどしか読んでいなかったのに……) すごく惜しいわけじゃないけど、埋め合わせは多ければ多いほどいい。 あとでミヤサカに買ってもらおうと決め、瑞希はもう一度スマホ画面に触れた。
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