エピローグ

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(なにそれ……) それは一部のうかれた人の意見で、だれにも共通するはずがない。 だけど瑞希が喜ぶと信じての行動を、責められるわけがなかった。 瑞希は受け取った、ずっしり重い花束に目を向ける。 ほんのり香る甘い匂いも含めて、この状況が現実のものじゃない気分になった。 歓声があたりを包む中、ミヤサカはまた一歩瑞希に近付いて、「あとこれ」と、苦笑まじりに小さな紙袋を差し出す。 瑞希はそれを見つめるだけで、動かない。 両手で花を抱えているから、受け取りたくとも受け取れないのだ。 それに気付いたミヤサカが、慌てて「ごめん」と手を引いた。 (本当、なんなの……) 瑞希は彼と紙袋を交互に見ながら、胸が熱くなる。 いつか。 本当にいつか。 婚約指輪にあのブランドのものをねだるつもりだったのに、どうして彼が知っているの。
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