1681人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
ミヤサカは笑った。
瑞希の抗議を楽しんでいるふうに、「ごめん。けどよく似合ってるよ」と言って。
見た目のよさに屈託のなさが加わって、それはものすごい破壊力だった。犯罪的だと思うほどに。
「……もういいです。もう行きましょう。
私は冷たいお蕎麦が食べたいです」
瑞希は視線をそらしたまま、早口で言った。
頬は熱いし、目を合わせていられない。
ふたりが歩き出したことで、周囲のざわめきは、はやし立てる声に変わった。
恥ずかしさをこらえてミヤサカを見る。
彼は普段通りの顔で、瑞希はなんだか悔しくなった。
最初のコメントを投稿しよう!