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「美月を放っておけなかったけど、それは兄の嫁としてで、ほかの感情はなかった。
本当なんだ」
「そんな話、私に信じろっていうんですか？」
彼は真面目な顔をして無茶をいう。
ミヤサカから他意や嘘を感じなくとも、だからといって瑞希が「そうですか」と頷けるわけもない。
彼は「本当なんだ」と繰り返した。端正な顔を歪めて、必死な面持ちで。
「たしかに、俺は瑞希さんと美月と重ねようとした。
美月しか好きになれないならと、そっくりな人を探して大事にしようと思った。
だけど、美月にいくら似てても、瑞希さんは瑞希さんで……。
自分でも気付かないうちに、瑞希さん自身が好きになってたんだ」
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