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演劇部の練習は、まず発声練習を行い、次に早口言葉と滑舌の練習を行う。
この練習が、演劇の基礎の基礎と呼ばれる練習だ。
そして、言葉と表現、台詞と状況、相手と合わせるといった基礎練習を行う。
基礎練習の最後として、ミニミニ劇とパントマイムを行う。
僕は、どの練習も手を抜かない。
しかし、優斗は時々だらけた練習をしていたが、僕は、それを注意したりはしない。
他人は他人、自分は自分と割り切っているからだ。
僕は、台詞の語り口調や表情、動作に関して、誰にも負けない自信があった。
でも、演劇の公演の時に主役を務めることはなく、いつも脇役だった。
やはり主役は、優斗の場合が多かった。
イケメンというだけで抜擢される優斗が、うらやましいとは思うが、でも僕は脇役であっても、きちんと自分の役割を果たしていた。
僕は演劇が好きだし、舞台に立つことができるだけでも嬉しくて、幸せだと思っていた。
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