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 そんなやりとりを何度も繰り返したあと、ついに蜘蛛が、ゴキブリやらミミズやらを連れて現れたのです。 「おお、私を助けてくれるのか?」  すると蜘蛛が答えました。 「それはできない。私たちは気持ち悪いからという理由でお前に殺されたのだ。」 「あの時は本当にすまなかった。だから助けてくれ」 「それはできない」  そう言って、蜘蛛たちは消えていきました。  さすがにカンタは、自分は生前、何1つ善行をしてこなかったのかと絶望しました。  閻魔大王さまも地獄の鬼も怖くなかったカンタでしたが、鍋の中でプカプカ浮いている肉の塊を見て、自分も同じようになると思うと急に恐ろしくなりました。  カンタは膝をついて泣き出してしまいました。 「誰か助けてくれ」  するとそこへ、今度はカンタのお父さんとお母さんが現れました。  カンタは涙と鼻水で濡れた顔を地面に着けてお願いしました。 「お父さん、お母さん、生前は迷惑ばかりかけてすみませんでした。だからどうか助けて下さい」  それを聞いて、お父さんとお母さんは答えました。 「これであなたは全ての悪行を後悔し、謝罪しました。そして残ったのは、長い間子供を授からなかった私達の間に生まれて来てくれた善行だけです。さぁ天国へ参りましょう」  こうしてカンタは、お父さんとお母さんとともに天国へと昇って行ったのでした。
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