喪失の夜明け

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改めて日の光の中で辺りを見回すと、被害の甚大さに愕然たる思いをする。   ナルヴァの村は、壊滅していた。   全ての建物が崩壊し、灰塵と化し、人々は死に絶えていた。   涙にくれる若者二人を鼓舞しながらアレンとカイトは支えるようにして離宮の丘を目指した。   アレンは内心焦っていた。 昨夜は村の事で手一杯だったが、あの状況で離宮だけが何事も無いはずがない。   (ユリアンや公爵様達は無事だろうか?)   村人達の屍が累々と折り重なっている中を分け入って行く。   どの顔も見知った者ばかりで気持ちが挫けそうになるのを懸命に堪えながら先を急いだ。     丘の中腹辺りに差し掛かると、信じられない光景を目の当たりにする。   まるで巨大な何者かに抉られたかの様に、かなり広い範囲で地面が浅く落ち窪んでいる。   その中心付近に、まるでオブジェででもあるかのように、十数人の焼け焦げて炭になった遺体が転がっていた。     「……これは、何だ?」   呆然とするアレンにカイトが答えた。   「夕べの落雷と関係してるんじゃねぇかな?なにしろこれまで聞いた事の無いほどデケェ音だったしな」
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