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話に置いていかれたシュアンが不機嫌そうに咳払いをする。
副官と話し込んでいたクラトが苦笑しながら彼女に答えた。
「これは紹介が遅れて申し訳ありませんでしたね。ここに居るのは私が団長を務める影幌旅団のメンバー達です。そして彼は私の副官でオルブライトという者です」
「以後、お見知りおきを」
クラトに説明を受けたオルブライトは、無愛想にそう言って王族への礼を一応とった。
ブツブツと文句を言っているシュアンを放っておいて、クラトはオルブライトをユリアンに引き合わせる。
「さて、ユリアン様。この者は元大陸の船乗りでしたが、今は旅団の副団長を努めている者です。私程に信のおける者ですので、今後彼を団長に新たな騎士団を設立しようと考えております。どうか彼の剣を収めて頂き、今後の助けになさいますよう」
正式に騎士の剣の誓いをするオルブライトの剣を受け取って返しながら、ユリアンはオルブライトに笑いかける。
「オルブライト、あなたのような方が居れば心強いよ」
「はっ、勿体無きお言葉です」
ほっとしたように二人の様子を見ながら、クラトはオルブライトに話しかけた。
「所で今回旅団に新規入団した者が二名居る。一人はここに居るアレン。以前話したと思うが、ナルヴァで私が剣を教えた。もう一人はもう顔を合わせただろうが、そこに居るカイトだ。面倒を見てやってくれ」
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