流浪の王女

13/14
前へ
/34ページ
次へ
その晩は皆で野営をしてそれぞれの情報を提供しあった。   かなり大所帯になったのでファリア陣営とイシュルト陣営とに別れ、シュアンとサイールもイシュルト陣営の中に戻って休む事になった。   ユリアン達も(特にアレンは)、気の知れた身内だけになってホッとした様子だ。   カイトはまさか自分が騎士になるなんて思ってもみなかったようで、少しうろたえて居たようだがアレンも一緒ならと思い直して今は二人してはしゃいでいる。   オルブライトの話では、カイトの話を聞いた時点で既にマルリオンへ伝令を送って居るので、ウルカン関辺りでマルリオン宮廷の反応や様子が多少なりとも知れるだろうとの事だった。   彼は優秀な男で事件の夜、ナルヴァの空が赤くなっているとの知らせを受けた時点で配下の者をすぐに調査に向かわせていたのである。   あいにくユリアン達とは行き違ったが、ナルヴァの状況報告を受けて既に南下を始めていたのでカイトはカレントへ行き着くまでもなく道中すぐに旅団と会う事が出来たのだ。   正確には捕縛されたのだが……。  「そりゃあ怖いってもんじゃなかったぜ?マジで殺されるの覚悟したよ」   カイトがおどけてるのをオルブライトも苦笑しながら聞いている。   こうして夜は更けて行った。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加