勝てない相手

2/8
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
今日は部活がないので、明るい中を4人で家に向かって歩いていた。 前を深咲と晴那が、その後ろを朔良と裕樹が並んでいる。 こんな時は前方組の会話を聞くのが後方組の楽しみだったりする。 「今日はどっちが勝つんだろうな」 小声で朔良が楽しそうに笑う。 「まぁ、深咲さんは何も知らないですしね…」 呆れた様に苦笑しながら、裕樹は前をみた。 「だからいいんだろ? ハルくんが読みきるか、みっくんが何も知らないまま読みを外すか……楽しみにだ」 まるで、新しいゲームをもらった小学生のような彼を裕樹は静かに見守る事にした。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!