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…クルンックルンッ…… あれから、俺様男(仮)の怒濤の回転アピールは15分にも及び、体力が尽き、平常心を取り戻すまでに更に30分ほどかかった。 「……その、なんだ、すまなかったな」 「…いえ」 俺様男(仮)の奇行を目前で一時間近く見せられ、俺の思考回路もおかしくなっていたんだと思う。 「俺様は白石桃之助、この学園の次期生徒会会長になる男だ。」 「あらためて言おう…御手洗冬夜、俺様と付き合え」 ルックスのわりに随分と可愛らしい名前だな、とか、何で俺のフルネームを知っているのか、ストーカーなのか気持ち悪いな。とか、思うことは多々あったんだが、よく見ればこの男なかなか良い顔をしていた。 男同士であることは、この学園においてそうそう問題にはならない。まして、姓に多感なこの次期に相手がいないことの方がいろいろと不便だ。 「…百夜通いって知ってるか?」 「あ?……あぁ」 「それ、あんたが出来たら付き合ってやるよ」 「……フッ…良いだろう!!」 なんとなく、本当になんとなく付き合ってやっても良いかな。と思ってしまった。今思えばこれが間違いだったんだが、あの時は何故かそう思った。 気の迷い。まさにそれだ。
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