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付き合ってみれば、あいつは意外にも新妻気取りの献身的なやつだった。ただ、残念なことに、根っからのお坊っちゃま体質のあいつは、家事に関して何をするのも要領が悪かった。
朝は必ず焦げたトーストと潰れた目玉焼きが用意されていたし、制服のカッターシャツを赤いグラデーションに染め上げながらの洗濯もお得意だった。
けど、下手なりに一生懸命にこなそうとする姿も、一向に上達する気配がないところも、お前が悪いんだ!と家電に八つ当りしている子供っぽさも、全部が可愛かった。
「ふっ…ダメな子ほどなんとか…ってのはその通りだな」
桃はわりと面倒なことが多かった。
同じ部屋にすんでるのにデートの日はわざわざ駅前で待ち合わせが鉄板で、就寝前の電話を義務化された。
嫉妬もそこそこするあいつは、「40代より下は男も女も連絡先は消せ!」とスマホを奪うといそいそと弄り始め、帰ってきたスマホの連絡先は家族のグループを残しただけになっていた。
正直、桃のルックス的にもっとシンプルな付き合いを方をするものだと思っていた。
が、それでも、学園の完全無欠が俺にだけこの姿を見せるのかと思えば、それはそれで可愛いかったし幸せだった。
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