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白石様。と多くから羨望の眼差しを向けられ、絶大な指示を得て生徒会会長に就任した彼には当然ながら莫大な規模の親衛隊が存在していた。
原則として親衛隊の掛け持ちが禁止されている中で、全校生徒の3分の1は属していたといわれ、
白石の親衛隊を敵に回すと一族が路頭に迷うまで噂された。
しかし、御手洗が恋人になったとき、
彼こそ敬愛する会長のパートナーである。と彼等は親衛隊を解散。過激派と揶揄されていた者達でさえも、2人の幸せを願う善良なファンへと姿を変えたのだ。
「御手洗さまの親衛隊だってどう動くかわからないよね…」
「うーん…あの人達が御手洗さまのお邪魔になることはしないとは思うけど……」
「今回ばかりは動くんじゃないかな…やっぱり」
「……そうなれば白石様だって危ないんじゃ…」
少数精鋭。御手洗の親衛隊はまさにそれであった。
学園内外を問わず多大な影響力を保持し、自分の利をよく知り使い方を心得た者達。
彼らは、御手洗だけに固執し執着した。
どんな権力者も美麗な者も彼らの前では道端の小石のようにとるに足らないモノでしかなかった。
人数はどこよりも劣るが、1番"力"を持った親衛隊はどこかと聞かれれば、それは間違いなく御手洗の親衛隊なのだ。
過去に1度、御手洗に執拗に交際を迫った男がいた。あまりのしつこさに耐えかねた御手洗が「うっとおしい…」とポツリと呟いた。
翌日男は学園を自主退学。翌週には非政府組織発展途上国支援団体の一員としてアフリカ諸国へと旅立っていた。そこに男の意思があったかどうかはご想像にお任せするほかない。
ただ1つ確かなことがある。
彼らは御手洗に仇なすものは絶対に許さない。
それがたとえ学園の絶対とされる白石であっても。
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