50人が本棚に入れています
本棚に追加
私、永(エイ)は走っていた
まるで、何かから逃げるように
走ることは得意ではない上、恐怖からそんなに速くは走れてはいなかったのだが
田舎だったせいか、街を少し離れると人の気が全くない
民家は途切れ途切れだが、群れを成して建っている
私が走っている場所はそんな場所だった
みんな寝静まっていて、自分の荒い息がやけに大きく聞こえる
――ハァ、ハッァ、ハッ、ハァッ――
(早く、早くしないと…)
何故かそんなことを思いながら、ひたすら走っている
何処に行けば良いのか、何処に行こうとしているのかわからなかったが
最初のコメントを投稿しよう!