はじまり

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私、永(エイ)は走っていた まるで、何かから逃げるように 走ることは得意ではない上、恐怖からそんなに速くは走れてはいなかったのだが 田舎だったせいか、街を少し離れると人の気が全くない 民家は途切れ途切れだが、群れを成して建っている 私が走っている場所はそんな場所だった みんな寝静まっていて、自分の荒い息がやけに大きく聞こえる ――ハァ、ハッァ、ハッ、ハァッ―― (早く、早くしないと…) 何故かそんなことを思いながら、ひたすら走っている 何処に行けば良いのか、何処に行こうとしているのかわからなかったが
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