はじまり

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はじまり

――っハァ、ハァ、ハッ―― 気が付くと、私は夜の街を走っていた 今思えば、この時点ではまだ夢だったのだろう いつ外へ出たのか 何故走っているのか 全く分からないからだ 私は当時8歳で1つ上に姉が1人 それ以外で兄弟はいず、私と姉はいつも一緒だった 私は怖がりで人見知りが激しく、いつでも姉にくっついていた この頃は親に内緒で夜中に街まで行くことがしばしばあった その時ももちろん姉にくっついて行き、あの時のように一人でいることはまずありえなかった ――そう その時までは――
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