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「出おったな。ふふふ、今日もいかつい顔をしおって。しかし、いくら睨みをきかせたところで、痛くも痒くもないわい。
さぁ、構えろ。長きにわたる戦、今日こそは決着をつけてやる。
よしよし、構えたな。右か……左か……、わしか……キサマか。
老いぼれと侮るなよ。この山田丸佐衛門、日々の修行はかかしたことがないでな。
ん? どうした。来るのか? 来んのか? さぁっ、どっちだ! さぁさぁさぁさぁさぁ!
来んのならば、こちらからゆくぞ! いざ、尋常に勝負!
でぃやー!!」
「ちょっ、高山さん。アテレコしてないで、仕事してくださいよー」
「いやー、ごめんごめん。来たらいつもここに突進してくから、ついさー。よーし、はいはい、マルちゃん、きれいきれいしようねー」
「ふにゃー」
こうして山田丸佐衛門改め、山田さんちのマルちゃんは鏡の前からシャンプー台へと連れて行かれたのだった。
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