第3章 クローゼットの中の敵

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何言ってんだてめぇ。と言い返したいが、不用意に声も出せない。その指が乳首を執拗に弄りだし、思わず呻きそうになり必死に声を抑えた。自分のそこがあっという間に硬くなるのがわかり、身体が震える。…ああ。 どうしよう。本当にこんなの計算外だ。こんな風にされるままでいいのかな。 『…竹田』 わたしは身を捩って奴の腕から逃れようとしたが、狭いクローゼットの中で音を立てないようにと考えるとあまり動く余地もない。 『こんなの無理、本当に。…こんな場合じゃ』 奴は切なそうにわたしを更に引き寄せ、頬に唇を押し当てた。 『わかってる。…でも、千百合』 気がつくと作業着のベルトに手をかけられていた。かちゃかちゃと微かな音がして恐怖に震えあがる。その音のせいか、これからされることのせいかわからない。 『…気づかれちゃう…!』 『大丈夫。…大人しく、してくれれば…』 わたしをそっとクローゼットの奥の壁に押しつけ、身動きできないようにのしかかると作業着の下衣と下着の中に探るように手を入れてきた。わたしは諦めて目を閉じ、その指を待った。もう逃げられない、多分。 外では再び嬌声があられもなく上がっている。 「あっ、恥ずかしいのぉ、そんなの…、ああ。見ないで…」 「すごいいやらしいよ、真凛ちゃん。…本当に好きなんだね、この身体。…エッチで可愛いよ…」 「いやん、駄目ぇ…」 その声にいつしか反応していたのか。奴の指がわたしのそこに届いてなぞった時、思わず息を飲んだ。ぬるっとその指が滑る。…温かい。 『濡れてる、千百合』 それから奴は無言で夢中で弄り続けた。わたしは膝ががくがく震える。こんなの、本当に。…ああ。 駄目。…立ってられない、かも。 「…ここ。好き?」 「あっ、やぁん…」 その声に重ねるように敏感な場所を摘まれ、びくんと身体を震わせる。そこばかり執拗に攻められ、切なくて身悶える。 ああ、こんなの。…もう。 『声、出ちゃう…』 半泣きで呟いて縋ると、奴は覆い被さるように唇を重ねてきた。お互い我を忘れたように夢中で口を吸い合う。入ってきたその舌に自分のを夢中で絡ませた。…ああ。 こんなとこ、他人に触らせたこともないし。キスだってこれが初めてなのに。何だってこんなことに…。 唇を重ねたまま、奴の手がわたしの手を取って自分のに導いた。されるがままにそれを手で握り、弄ぶ。すごく硬くて、熱い。それに大きい。
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