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ヒソヒソ話なピタリと止んだ。
「お前、余計なことを。」
「君が先に言ったんだろ!」
「いや、拙者が先に申した。」
後ろでゴニョゴニョとやり合いだす。
「あの、主は!」
同じことをもう一度
「旦那様は今宵はいらっしゃいませぬ。」
なぜか背筋が凍る。
「いらっしゃらないって....屋敷に?」
三人同時に首を横に振った。
「屋敷にはおりますが、何というか、その、お部屋にね」
「そうそう」
「一人がお好きな方でして」
「そうそう」
はい!?
「あの言ってる意味が....」
「ま、そのうちわかります。お呼びが掛かると思いますから。」
オイオイ止めてくれよ。
お呼びが掛かった時は死ぬ時でないかい?
「はあ」
と曖昧に微笑んで食事を終えた。
「おや、まだデザートがありますぞ。」
「すみません、なんか食欲が」
三人が顔を見合わせた。
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