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「んあーどちらさま?」
髪はボサボサ、寝ぼけナマコでガウンの下はたぶん裸
なんだコイツ
ひきこもり?
「だ、だれあんた」
「んあーそれはこちらのセリフなんですが。」
ボリボリと頭をかきながらまたゴロリと寝転んだ。
いいの?
名前聞かないの!?
「ちちちちちちょっと!誰かって聞いてるのに!」
なんだか怒鳴る私がアホらしいほど。
「んあー、ここの主人でふけど。」
ゴロゴロしているせいで発音が悪い。
待て待て主人て言ったか?
冷や汗を流す私の前に男がまた身を起こした。
「で、そちらは?」
あ、口から牙出てる。
「たぶん、あなたに誘拐された者です。」
ああ、と呟き座りなおす。
「ああそう、君がね。」
ふーん、と呟き何やら足元をゴソゴソやっている。
探し物が見つかったのかあからさまに顔をパアッと輝かせワイングラスと真っ赤な液体の入った瓶を取り出した。
「それってまさか....」
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