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「あ、なんかすみません。吸血鬼でも痛み感じるんですね。」
股間を指差すとキッと睨まれた。
「せっかくの預かりものだ。大切にしないといけんでしょう?なかなかしっかり歓迎したつもりなんだけどね、逃げ出してしまうのだもんね。」
髭のない顎を撫でながら思案げに言う。
この人いったい何歳なのだろう。
見た目は30そこそこだ。
「失礼ですがおいくつですか?」
「ん?私かね?ざっと180歳てところだね。」
中途半端な歳だなおい。
普通500歳とかだろう。
「あ、今中途半端な歳だなおい、とか思ったでしょ!」
人の心を読まないでもらえますか?
「父上は780まで生きたんだけどね」
ち、父上!?
「ヘルシング博士に殺られちゃったからね。」
あ、あそうですか。
息子さんがいらしたんですね。
「吸血鬼に子どもなんてできるんだ。」
呆然と呟く私を勝ち誇ったように見下ろす。
「吸血鬼どころかありとあらゆる魔物がもう二世の時代だよ。」
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