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しばらくはゴロゴロとしたいたが、ここ何日間もゴロゴロしていたせいで目が冴えてしまった。
寝てばかりもつまらない。
どれ、伯爵の客をこっそり覗きに行きましょうかね。
出歩いてはいけないとは言われてないわけだし。
有言実行をモットーにしている私は考えるなり立ち上がり部屋を出た。
客と言えば食事だろう。
食事と言えばさっきのやたら豪華な食堂だ。
私ってなんて冴えてるんでしょ。
小躍りしながら長い回廊を歩き出す。
推理の通り、食堂から微かに光が洩れていた。
中からは人の話し声もする。
あんな人に友人なんていたんだ。
意外に思いながらどこかに覗ける隙間は無いかと不審者のごとくうろつく。
その時、遠くの方から足音が聞こえてきた。
慌てて近場のブロンズ像の後ろに隠れる。
泣き顔だ。
ワゴンを引いている。
彼に続いて滑り込むことは出来るだろうか。
よし、やってみよう。
ああ、目立たないよう黒い服を着とけばよかった。
なぜよりにもよって純白?
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