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ぼんやりと見つめていた私は泣き顔がワゴンを移動してしまったことに気付かなかった。
無様にしゃがみこんでいるところを犬みたいな奴が先に気づいた。
「なんかおるで。」
次に胸焼けがするような小男が私を見た。
「女だ。」
頭に釘を指してるやつに関してはたた指を差すだけ。
「あら、だれあなた?」
最後に美しい人が私を見下ろす。
待て待て立たないで
こっち来ないで。
うっわ、怖っ。
無駄な圧巻
彼らをかき分けるようにして主が表れ私を見下ろす。
「おやおや、いやに物好きな子だ。」
差し出された手を握るとストンと立たされた。
「遅くなったが改めてご紹介しよう。」
うやうやしく私の手を取ったままマジシャンのように右手を掲げる。
「彼女こそが私の花嫁になる人である。」
「「ちょっと待て!そんな話聞いてない!」」
私と、そしてなぜが美女の声が重なった。
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