魔物ご一行様

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聞いたところによると 毛むくじゃらは狼男、釘刺し旦那はフランケンシュタイン、気味悪い小男はハイド氏というそうだ。 そしてさきほどから気になっていた美人はカーミラという女の吸血鬼だという。 ドラキュラはカーミラを移動させ私を自分の隣に座らせた。 その時のカーミラの形相といったら鬼そのものだった。 「旦那に花嫁がいたとわね。」 ハイド氏が嫌な笑みを浮かべる。 「いや聞いてませんよ。いったいなんのお話なんです?」 声を震わせないよう苦労しながら話す。 魔物ご一行様はだいぶ迫力があるのだ。 「そりゃないですよ。今日は元から婚約の報告で召集をかけられたんですからな。」 フランケン氏が言い皆頷き合っている。 「出会はどちらで?」 狼男が聞いてきた。 「雪の中、見捨てられて震えた少女を見つけてね。それが最初さ。」 よく言うぜ。 死んだ子どもの腕に手紙を巻きつけたのはどこのどいつだよ。
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