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ある朝、また死体が発見された。
今度は子供だった。
村長の息子だ。
しかしこの幼子はまだ血の気があり、死んでなお身体に温もりが残っていた。
罪のない子になんてことを!
と村長は拳を振り上げ怒ったが、村人達はほくそえんだ。
いい気味だ。
バチが当たった。
口々に囁き、嫌な笑いを浮かべた。
子供には腕が無かった。
いや、正確には腕の肉がそぎおとされ、残った骨になにやら羊皮紙が巻き付けてあったのだ。
村に一人だけの医者が気味悪そうに死体を家に運び込ませ骨から注意深く羊皮紙を抜き取った。
見ていた村長は嘔吐した。
「これは、手紙?ですかな。」
「あ?手紙だあ?」
「なにやら書いてありますぞ。血がべったりと着いて読むことが難しいですがな。」
「ふざげるな!わしの息子に着いてたものが読めんだと!貴様わしに喧嘩を売る気か!」
もはや沸点がおかしい。
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