~ 声 ~

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僕は…“独り”部屋の隅で 足を抱え…座る。 硝子で造られた“独り”の部屋は、暗く冷たく…外の世界の音が聞こえない…隔離された無の空間… ……まるで…僕のココロ…… 泣いても…僕に気付いてはくれない… “存在(ボク)”を気付いてはくれない… 誰か助けて…僕に気付いて… 心の中で叫ぶ…。 僕の“ココロのコエ”は…誰にも届くはずはない… 僕は立ち上がり、硝子を叩く… 誰も気付かない…。 『僕を…僕を助けて!』 大声を張り上げ叫びながら、硝子を拳で叩く…。 ガシャン…と、硝子は砕け…外の光りに照らされ、キラキラと煌めきながら…地に落ちる。 その世界は…光りが注いで…今まで目にした事のない光景…。 僕は目を細め周りを見る…。 『やっと…助けを求めてくれたね…』 君が………柔らかく笑みし、僕の手を…引いた。 この硝子の無の空間は…僕が作り上げた…硝子の心…。 心の中で叫んでも…誰にも聞こえる事はない。 誰かに聞こえる様に…自分の声で叫ばなければ…… 誰にも聞こえないのだ…… キミは…誰かに叫んでいる…? キミのコエで……
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