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「今日が来るまで生きていると信じてたのに…」
暗い部屋の中、陸哉は呟いた。
部屋の外では両親の泣いている声と電話の音が響いている。多分電話は親戚からだろう。
親戚は怜緒奈が失踪した日から必死に捜索活動をしてくれた。
両親も近所の人にチラシを配ったりして怜緒奈を探していた。
「なのに俺は…」
つい声が出た
俺は一昨日まで引きこもっていた。何度も行こうとしたが気が向かなかった。友達も心配してくれていたが、学校に行く気は起きなかった。
部屋に閉じ籠っていた俺の唯一の心の支えは怜緒奈が失踪する2ヶ月位前に撮った写真だけ。写真を見るたびに怜緒奈はひょっこりと帰ってくるんじゃないかと思ったりもした。
だけどその可能性も今日で消えた。
今日の朝8時頃に警察からの電話で怜緒奈の死亡が確定された。遺体発見場所は教えてもらえなかったが、死後1日とだけ教えられた。
俺は成長した怜緒奈を見たくて警察に電話したが
「遺体の損傷が激しく、お会いさせることが出来ません。」
と言われてしまい、どんな酷いことをされたんだと思うと悲しさで胸が一杯になった。
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