0人が本棚に入れています
本棚に追加
現在編
「今日の残金も残り2000円しかない」
考え事をしながら32歳フリーターの間中楓は落ち込んでいた。
「はあーーーーーーーーーーー」と落ち込んでいたがどうすることもできなかった。そもそもなぜこのような事態になったのかは簡単である。史上最悪の経済不況の時にちょうど主人公の間中楓は大学4年生だったのである。そして文系出身でfラン大学の彼に就職先など簡単には見つからなかった。そして何やかんやでいつの間にか32歳。田舎から上京してきたのにこの仕打ちはどうすることもできなかった。
現在はファーストフード店でバイトをしているが、これからどうなるかはわからず、そして学生たちがまぶしすぎた。
「おはよーーーーございますーーーーー」と新谷美穂さん=高校2年生の明るい女性が今日も自分にはまぶしかったのである。
「おはよー新谷さん」と間中は言った。
「今年も春が来ましたねー。間中さんは花見とか今年はしないんですか?」
「うーーーーーん、自分はしないかな。そもそも相手がいないしね」
「へええーーーー、彼女とかはいないんですか?」
「ははは、残念ながら今までいたことがなくてね」
「あ……そうですか。すいません変なこと聞いて」
「まあ、よくあることだよ」
と新谷さんはホールのほうに出て行ったが、彼女はまだ入って半年だがほんとによい人なのだろう。そして私個人はほんとにダメな人間なのだろう。
「今日は新しいバイト仲間を紹介することにする」
バイト終わりに店長がいきなり休憩所に入ってきて言った最初の言葉がそれであった
店長さんがそう言って、中から現れたのはかなりのきれいな女性であり、またハーフの人らしかった。
「初めまして、ジュリ・安奈といいます。現在大学2年生です」と言って愛想がそれなりになさそうな人が入ってきた。
ほんとに彼女に接客業ができるのか心配だったが、それなりに物覚えが良いのか簡単にレジ打ちから接客を一通り覚えてしまったのである。
そして、1か月がたったころ、これから自分はどうしようと考えるのも疲れてゴールデンウィークに突入した。
「間中さん、明日お暇ですか?」と新谷さんが言ってきたのである。
「暇と言えば暇だけど何か?」
最初のコメントを投稿しよう!