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私は夏休みを利用してセラが今いるアメリカのニューヨークに行くことになった。現在は大学3年生。来年からは4年生の私にはこれが大学生活の最後の海外旅行になるのかもしれない。
そう思いながら私はニューヨークにある新しい街並みから少し外れた静かなところに来た。ぼろいといえばぼろいのかもしれない。そんなアパートにセラが迎えに来た。
「ようこそわが家へ。そして一緒にビジネスをするわが相棒。さあ!これから偉大なる偉人や著名人の仲間入りをしようではないか?」とセラは饒舌であった。どうやらかなり飲んでいる感じであった。
「それでセラ。一体投資でどうやって勝とうと思っているの?」私はここ半年以上市場の本をたらい回しに読んで研究してみたが、やはり良い答えなどはなかった。やはり完全なる市場での勝利は無理なのかもしれない。
「何言ってんだよ。市場何ものは所詮人間が作ったものだ。ならば人間らしく行こうじゃないか!」
「それができたら苦労はしないよ。そもそもセラは市場に参加したことはあるの?」
{ない!そもそもそんなお金はない!」だと思っていた。戦争中にセラと一緒にいたが、彼の性格上、そのようなことは絶対にしないだろうと思っていた。
「なら、なんで市場をしようと思ったのさ?」
「何、簡単さ。ある情報屋がここ最近面白いことを教えてくれてな」
「それってまさかインサイダー?」私の中で犯罪の2文字がなぜか浮かんでいしまった。せっかくあの地獄から帰ってきたのに今度は刑務所など絶対に行きたくなかった。
「そんなせこいことはしないよ。単純なことさ。どうもここ最近ある一人の人間が完全なる市場システムを作ったっていう情報さ」
「そんな馬鹿な。そもそも完全なる市場のシステムなんていまだに存在していないのに。誰が作ったのさ。ハーバード大学の人?MITの人?それともあのパソコンで有名な会社の人か?」と半分切れ気味に言っていた。そもそもそんなシステムがあったらそれこそ作った人は一生お金に不自由しないだろう。
「それがな。いるんだよ作ったやつが。それも初老の人物らしい」
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