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「楓ーーーーいつまで寝ているの?」と母親の声が聞こえてきたのである。私はあれから捜索願が出され、解放されたのを聞いた家族は泣きながら私を抱きしめてくれたが、一週間も過ぎたらそんなことはもう忘れている感じみたいである。
幸い大学は休学になっており、私は2年の留年をすることになってしまった。ニュースのほうはどうやら私よりも私たちを拉致したほうの犯行グループがどうやらかなり有名らしくそちらばかり報道され、私個人のニュースはほとんど出なかった。
そして、私は何もしたくなく、毎日毎日寝てばかりの日を続けていた。そして休学も終わったので大学に戻ることにした。
マンションに戻ると何かしらの留守電が大量にあったのである。それは戦場で会ったセラからのものであった。
「間中ーー、久しぶり、少しは連絡の返事ぐらいよこしたらどうなんだよ。こっちで面白いビジネスがあるんだが、お前も一緒にやらないか?」と半分酒を飲んだみたいなろれつで彼が言うのでたぶん冗談なのだろう。
「また考えとく」と私はいい、それから大学生活に戻ることにした。
私が東京の大学に戻ってといえばいいのかどうか。そもそも私が飛行機で拉致事件があってから東京に戻ってくるとかなり、日本も変わっていた。
あちらこちらで事件事件の連続なのである。それもほとんどが行方不明の事件ばかりなのである。なぜこのような事件が起きているのかはやはり私たちを拉致したグループがかかわっているようである。
そもそも彼らの目的とは一体何なのか?そしてなぜ拉致をするのか?わかっているのは拉致された人間の全員が10代から20代の若者なのであった。
「間中さーーーん、これ運んどいてくれますか?」と私に行ってきたのは大学のゼミの後輩だった。一応私は留年しているので彼らとは同い年なのだが、彼らも気を使っているのか敬語で話をしてくれていた。
私のゼミのテーマは世界の金融をテーマにしている。特に私個人は昔から株や為替=fx、先物に興味があった。つまりお金でお金を儲けるのが面白いと感じたのである。今現在私は何社か株を買っているが、なかなか思うように上がってはくれなかった。かなりのマイナスである。
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