後々話

2/4
前へ
/233ページ
次へ
夕暮れの校舎を背に、僕はため息をついて歩き出した。 ため息の理由は簡単。テストの点が優れなかったんだ。 今年が受験生なだけに、この点数では少しばかりきつい。 高三になって、今更だけど高校のレベルを間違えたかなぁなんて思ったりする。 無理して入ったは良いけど、勉強についていけない。周りのレベルに置いて行かれる。 妙な想像力だけは達者な僕だけど、それと勉学の頭とでは全く別物。 高校のレベルを落として推薦入学とかで大学に行けたら、ここまで苦労はしなかったのだろうけど。 「はぁ……」 「ため息を吐けば幸運を逃すよ」 そんな僕の足取りに合わせて、同じ制服を着た生徒が歩幅を合わせてきた。 スラリと高い背に、整った顔立ち。声も綺麗だ。 あれ。こんな生徒いたっけか。
/233ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1283人が本棚に入れています
本棚に追加