雪之上雫1

5/10
1278人が本棚に入れています
本棚に追加
/233ページ
「落書き?」 「そうなんだ」 帰り道。僕は一緒に帰路に着く男子生徒に黒板の落書きの事を話した。 黒板に書かれた綺麗過ぎる文字の事を話した。 文字が綺麗で、意味が分からなくて、謎めいた文章の。 そんな落書きが教室の黒板に書かれていたのだと。そう話した。 「へぇ……。落書きねぇ」 幼馴染の紅辻百上。 こうつじ、ひゃくえ。 漢字の字面が女の子みたいだけど、彼はれっきとした男の子だ。 僕よりも高い背。すらっと伸びた足。どこぞのジャニーズに所属してそうな男前だけど、残念ながら普通の高校生。 スカウトされた事もあるらしいけど、本当か嘘かは分からない。 僕の隣のクラスにいる、平凡な高校生。僕の幼馴染。 「何か、変な落書き。綺麗な文字なんだけどさ」 「落書きなのに綺麗なんだ。何て書いてたの?」 「ん」 僕はカバンから一枚のメモを取り出した。 それを見て百上が苦笑いする。
/233ページ

最初のコメントを投稿しよう!