夜中の虫

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 誰もが本能的に、さっきの悲鳴はそこの住人物だと悟った。  連絡をした人がいたらしく、しばらくしたら管理人や警察現れた。  鍵か開き、管理人と二人の警察官が中に入って行く。それと同時に三人分の悲鳴が聞こえた。  すぐに三人が外へ出て来る。管理人は気絶しているらしく、景観の片方が肩を貸す形になっていた。そしてもう一人の方は、何やら応援要請をしているようだった。  その後、何台ものパトカーと警察官達がマンションにやって来て、住人一同は簡単な質問を受けた後、それぞれの部屋に帰るように言い渡された。  この時はそこまでしか判らなかったけれど、後でニュースなどになり、やっと全貌を知ったこの件は、かなりの猟奇殺人事件だったらしい。  部屋に誰かが侵入した痕跡はないのに、あの部屋の住人は、部屋の真ん中で、何かに叩き潰されたような状態で圧死していたというのだ。  警察は何度もあの部屋を訪れ、現場を探ったり聞き込みをしていたが、いまだに事件の犯人は捕まっていないという。  ちなみにこれ以降、夜中になるとあれだけしつこく出現していた虫が出なくなったんだが……もしも犯人が俺の予想している人物だとしたら、犯行の立証などしようがないので、この事件は迷宮入りとなるだろう。…そういう意味では助かったな、俺。 夜中の虫…完
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