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「お姉ちゃん」
そろそろ寝ようとしていると、同じ部屋の真美が口を開いた。
「ん?」
「お姉ちゃんは、お見合い嫌じゃないの?」
真美が珍しく心配そうに尋ねてきた。
「んー、大丈夫よ、真美は心配しなくても」
それだけ言った。
「大丈夫っていう人が一番大丈夫じゃないってよく言うよ?」
「ドラマの見過ぎね。お姉ちゃんが、真美に嘘ついたことがあった?」
「ない!」
真美は嬉しそうに声を上げた。
優しくて、賢い子。自分がどう立ち回ればいいかを、この子はよく知っている。
「誰か助けて!って思っても、誰も助けられないときっていうのはあるのよ。そういう時は、どうしたらいいと思う?」
真美は首を傾げた。その姿が、可愛らしいと思った。
「お姉ちゃんを見ているといいわ」
口元に、余裕の笑みを浮かべて見せた。
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