ふれて

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「そういうのは好みの方向に開発すればいいだけだから問題ない。これから楽しいことが山ほどできる」 「なんか…エロい…」 「おまえの体が誘うんだよ」 こういうことを素でさらっと言うから手に負えない。あっさり恋人認定しておきながら、同性が相手になるのは初めてと聞き、また驚く。『触り心地が良ければ、女か男かは二の次』などと恐ろしく大雑把なことまで言う。繊細な指使いと気質、それとは真逆のこの豪快な性格に惹かれたのかもしれないが…。本当は、こんな貝瀬が我をも忘れて心を乱すところを見てみたい。抗えない感情や衝動に歪む顔が見たい。俺は意地悪な恋人だ。 「初めてで、男相手にヤれるんですか?」 「俺は愛せるねぇ。こんな触り心地よくて、可愛い男」 あっさり答え、もう指は鎖骨の上をなめらかに滑っている。その手に体の芯まで溶かされる。今はその手が先の快楽を与えてくれることを体は知ってしまっている。 furete, hodokete fin. 2016 au printemps merci! ここまで読んで頂きありがとうございました! ご感想など頂けますととっても嬉しいです。お気軽にお声かけください。 骨董屋のお話は短編読み切り不定期で続く予定です。次ページから、その後の「ほどけて」を連載中です。 これからもどうぞよろしくお願いします。 2016 春 花緒 すず
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