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「長男と次男は違う。もう結婚してるもの」
いつになく真剣な眼差しで
貴恵は枝分かれした家系図を辿ってゆく。
「そもそもアーサー卿には何人息子が？」
痺れを切らして僕が聞くと。
「５人兄弟よ」
「てことは下三人のうちの誰か？」
「四男と五男はありえないわね。今年12歳になる双子だもの」
「それじゃ――」
ようやく。
「これだわ。お兄様のお相手は三男のクリスチャンよ。間違いない」
クリスチャン――ファッション専攻デザイン科の20歳。
「らしいね」
該当者が割り出される。
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