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僕は玉虫の代わりなのか――。
凶暴な口づけに
すでに抵抗する力を失った僕は。
いつしか
このまま殺されるかもしれないと思い始めていた。
「リカ……もっと欲しいか?」
だが一つ言えるのは
それが僕にとって
苦痛なだけの行為ではなかったということだ。
「うん……」
アンジュから注がれる
今まで感じたこともない鮮烈な愛情が
僕の中でその時何かを目覚めさせた。
「もっと……」
命の危機にありながら
僕は自分からアンジュの甘い舌を求めていた。
もっと深く
もっと深く繋がりたい。
そうして
僕はそのまま意識を失い
水の中に沈んで逝った――。
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