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「ちょうどいい。お昼にしよう。君もどう?」
「……え?」
白いテーブルクロスの上。
ガラスのケースに収まった玉虫は
まるでオブジェのように美しい。
だけど――。
「あのさ、アンジュ」
「何?」
あれは生きてるんだ。
飾り物じゃない。
「このままじゃ……玉虫、死んじゃうよ?」
「かな?」
「だって空気入んないし……おまけにこの暑さだし」
分からないはずないのに。
アンジュはグラスを並べて
水差しからアイスティーを注ぐと。
「ふうん」
無関心に答えて僕に片方を差し出した。
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