第1章 リカとアンジュ

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「玉虫の代弁か?それとも――」 僕の胸の突起を摘まむと 悪戯に笑ってアンジュは言った。 ちょうどその時だ。 「アンジュ、お客様なの?」 屋敷の中から声がして 僕らは慌てて距離を取る。 「あら、リカくんね。いらっしゃい」 間もなく。 サマードレスを着たアンジュの母親が とびきりの笑顔でプールサイドに姿を現した。 「ど、どうも……」 僕はパーカーの前を合わせると なんとか引きつった笑顔を作る。 「ママの噂をしてたとこさ」 アンジュはその横ですました顔して アイスティーを啜った。
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