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「玉虫の代弁か?それとも――」
僕の胸の突起を摘まむと
悪戯に笑ってアンジュは言った。
ちょうどその時だ。
「アンジュ、お客様なの?」
屋敷の中から声がして
僕らは慌てて距離を取る。
「あら、リカくんね。いらっしゃい」
間もなく。
サマードレスを着たアンジュの母親が
とびきりの笑顔でプールサイドに姿を現した。
「ど、どうも……」
僕はパーカーの前を合わせると
なんとか引きつった笑顔を作る。
「ママの噂をしてたとこさ」
アンジュはその横ですました顔して
アイスティーを啜った。
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