第1章 リカとアンジュ

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波立つ青い水間。 互いに吸い寄せられるようにして 僕らは腕を伸ばした。 「アンジュ……」 「リカ」 指先が触れ合った その瞬間――。 アンジュは力任せに 僕の身体を引き寄せて。 「ンッ……!」 唐突に唇を奪った。 「ア……ンジュッ……!」 水の中だ。 主導権を握られた僕の身体は 激しいキスに堪えきれず 途中何度も沈みかける。 その度。 「苦し……いっ……!」 水を飲み。 手足をばたつかせる。 溺れまいと暴れるほど 僕はコントロールを失った。
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