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それから頼くんからの着信も出れないし、メールも返せないまま。
やがて、連絡は途絶えて音信不通に。
青春時代の一年間を一緒にいたのに、あんな幕の引き方って虚しい。
結局私は、
頼くんから付き合ってほしいって言われなければ、思いを伝える勇気もなかっただろうし、
ずっと臆病なままだったってこと。
本当のことを頼くんの口から確かめる勇気もない臆病者。
「わたしって……ばか」
写真を見つめながら呟く。
いくら十代の頃の話っていったって、不器用すぎでしょ。
あの別れのあと、誰とも付き合えなくて、やっと付き合えた相手は後姿が頼くんと似てる男性。
ハワイ旅行に行く前にフラれちゃったひと。
多分、私の気持ちの中に違う誰かがいたこと、何となく感じてたんじゃないかなって思う。
〝異性として好きかどうか分からなくなってきた”
って言われても仕方ないよね。
私が100%の気持ちで付き合ってなかったんだもの。
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