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ほら、
頼くんにとって、遠い昔付き合っていた私みたいな女の存在なんて大したことない。
もう無かったようなものなんだ。
きっと、
あの時間を忘れてしまうほど、才色兼備でナイスバディーな美女達と付き合っていたのだろう……って。
今だって、何処かのミスコンで優勝しちゃうようなハイレベルな女性と付き合ってるんだろうな……って―…
考えると、心がチクッと痛んだ。
名門大学を卒業してから都市銀行に就職してバリバリ行員として働いているって聞いていたのに、
なんで今更、
「わたしの前に……現れちゃうのよ……」
よりによって総支配人と従業員なんて立場で再会しちゃったんだろう―…
これからの仕事も不安になってしまう。
ああ、
なんて展開。
すっかり気持ちが沈んでしまった私は上座から遠く離れた席で、ただ、時間が過ぎるのを待った。
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