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「お客様、そろそろ飲み放題の制限時間になりますが―…」
お店のスタッフにそう耳打ちされて、やっとお開きだって思う。
「あ、藤波さん、」
進行役を任せている営業部の藤波さんに、そろそろ時間だと告げて会を閉めてもらう。
「では、明日もみなさん仕事の方が多いと思いますが、二次会三次会と行く方はここからはそれぞれでお願いします」
歓迎会に参加しているみんなにそう伝えて、これでやっと任務完了。
「来栖サン、二次会行くでしょ?」
「すみません主任、今日はちょっと調子が良くないのでこのまま大人しく帰ります~…」
「あら、飲みすぎたの?大丈夫?家までちゃんと帰れる?」
「あ、はい。寝れば良くなると思うので大丈夫です」
「そう?急な幹事で疲れさせちゃったかしら~…」
「い、いえ……」
またちょっと顔が引きつってしまったけど、
「じゃあ来栖サン、気を付けて帰るのよ??また明日ねー」
「はい。また明日」
何とか、あとはタクシーを拾って家に帰るだけの所まで来れた。
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