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怒らせてしまった……!?
そう思ってビクッとしてしまったけれども、若槻総支配人は、
「ったく……」
私の唇に手を伸ばして、指先でツーッと触れたかと思うと、
「久々に会ったと思えばよく吠える様になったなー…」
そんな言葉を吐いて、
「……っ」
唇にキスをしてきた。
私、
「・・・・・・」
一瞬、何が起こったのか分からなかった。
でも、すぐ目の前で私を見て不敵に微笑む若槻総支配人がいて、
「な、に……してるんですかぁ~…!」
バーチェアから立ち上がって声を大にしてしまう。
「煩い。店の迷惑になるだろうが。周りの客が何の痴話喧嘩だって顔で見てるぞ」
「じゃあ、公衆の面前でいきなりキスなんてしてくるあなたは何様なんですかっ!?」
「何様って若槻様だろ?キスくらいでギャーギャー騒ぐなよ。何度もしてるだろ?俺達」
「っ」
意地の悪い顔をして若槻総支配人が私を見てる。
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