【絶対なる】過去【支配3】

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一方、私はというと、 今ではこんな感じで親しみやすく接しやすい性格(自分デ言ウ)だけど、高校時代はクールで真面目な委員長タイプの女子だった。 「ねぇねぇ、希穂も若槻君カッコいいって思わない?」 「えっ……?」 「そうだっ!明日の球技大会さ、若槻君、テニスに出るらしいから応援行かない?」 「私は―…実行委員だし遠慮しとくわ」 「さすが希穂、若槻君にも靡かないとかクールよね~」 「ほんとほんと、芸能人とかにもキャーキャーならないし、校内のプリンスにも無関心って何かこう、余裕があってカッコいいよねぇ!」 なんて、よく女友達に言われてたけど、 心の中じゃ、 〝若槻君、テニスに出るの……!?ヤバいっ、これこそ本物のテニスの王子様というやつじゃない……っ!” 若槻君がラケットを持って優雅にプレーする姿を想像して悶絶していた。 想像するだけで、 「っ!?」 たら~っと鼻で違和感を感じて、 「ご、ごめん、ちょっとお手洗い行ってくる」 ダッシュでトイレに逃げ込めば、リアルに鼻血まで出ていたことがあって、想像だけでコレじゃあ、 実際に目があったり、会話をしてしまった日には、とんでもない醜態を若槻君の前で晒してしまうんじゃないかって恐れていた。
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