【絶対なる】過去【支配3】

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ひっそりと見つめていた私と若槻君の距離が縮まったのは、 高校二年生の学園祭準備の時。 私はまた実行委員を引き受けていて、校門に飾るアーチ作りに参加していた時だった。 装飾するバルーンを黙々と膨らましながらも、 〝若槻君って前世は何だったんだろう……古代エジプトならファラオで古代ローマとかだったら皇帝とか……絶対に君主って感じ” 〝ってことは日本だったら帝ってこと……?どっちかっていうと洋のイメージだけど、和の若槻君も想像すると……” (艶ヤカナ、帝バージョン…想像チュウ…) た、たまらな~い……! なんて学園祭のアーチ作りとは全く関係のないことを考えて、 一人興奮していると、 「へー、今年はバルーンでアーチを作るんだ」 そんな言葉でいきなり話しかけてきたのが、若槻君本人。 「み、帝っ……!」 「は?」 「な、なんでもないです……」
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