560人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
嫌い?
んなわけない、むしろ好き。
大好きです!
と、
心の中では大絶叫だけど、
「いえ。そんなことないですよ」
クールな口調で否定することが精一杯。
「でも、来栖さんから避けられてる気がするんだよね。今も目、合わせようとしてくれないし」
すぐ隣から感じるのは若槻君の視線。
でも、嫌いだから目を合わせないとか避けているとかじゃ断じてない!
女優モードオン!女優モードオン!
落ち着いたクールな女子高生を演じるのよ!
「気のせいですよ。避けたりなんてしていません」
「ふーん……じゃあ、瞳と瞳、合わせて話そうよ」
あ、アイ・トゥー・アイのお誘いキタっ……!
ここで応じなければ、無礼な女って思われるかもしれない。
「若槻君の事を避けたりなんてしていないですよ。でも、今は実行委員としてバルーンアーチ作りをしなければならないので。これでいいですか?」
私、
クールな女子高生の仮面を纏い、若槻君を見た。
「真面目だね」
「そんなことないです」
バルーンアーチどころじゃなく、あなたの瞳にくらくら来てます。
最初のコメントを投稿しよう!